基本的な躾、接し方

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カニンヘンダックスフンドは小型犬とは言え猟犬として作られた犬種です。
独自のブリードスタンダード(犬種標準)を採用している国では
狩猟犬と言うイメージから離れてしまったダックスもおりますが
FCI(国際畜犬連盟)が採用しているドイツのブリードスタンダードでは
狩猟犬としての本来のダックスの保全に努めております。

ドイツのカニンヘンダックスの特徴としては、運動能力の高さと
狩猟犬の気質、性格を持っている事でしょう。
性格については個体差がありますが、好奇心が旺盛ですが注意深い所があります。
おっとりと言うよりは活発なイメージが強いです。
狩猟犬としての気質を備えておりますが、幼少期の環境を整える事で、
家庭犬として全く問題の無い素晴らしい資質を持っていると思います。

基本的な躾としては他の犬種と大きくは変わりませんが、
誉める事と叱る事のメリハリをきちんと付ける事で、
犬は様々な事で判断をし易くなります。

ヨシヨシとコラコラを同じ声のトーンと仕草で行った場合、
犬は誉められてるのか叱られてるのかの判断に迷います。
誉める時はしっかり誉め、叱る時はしっかり叱ってあげると良いでしょう。

そして、誉めるにも叱るにも、犬との立場関係がしっかりと構築されて
なければ効果がありません。
人間に置き換えて考えた場合、上司に誉められれば、より嬉しいでしょうし、
上司に叱られればきちんと反省をすると思います(基本的には)。

部下や自分よりも下だと思ってる人に叱られたらどうでしょう?
逆上して飼い主に噛み付くような犬の場合は完全に立場が犬優位です。

無理なく飼い主の方がボスになるには日々の接し方が重要です。
知らず知らずの内に甘やかしてしまい手が付けられなくなってる方も多いでしょう。

家はお犬様だから犬が一番偉くていいし何をされても我慢出来るわ!と言う方も
いるかもしれませんが、そのような犬は一見幸せそうに見えて、
不幸せになってるパターンがほとんどです。

犬自身は自分が一番偉いと思っているのに、ご飯も好きな時に好きな分だけ
食べられず、散歩に行くにしても自分だけでは行けない…等々、
その際のストレスはかなりの物のようです。
そして極度に甘やかされた犬は病院でもトリミングでも手が付けられず、
麻酔や口輪をされたり、無理やり押さえ付けられたり、
家に遊びに来た人に唸ったり噛み付いたりで他の誰からも好かれません。
それではさすがに可哀想だと思ってしまいます。

ですので、日々の接し方、躾は犬との幸せな生活の為には必須です。
とは言ってもそんなに難しい事ではございません。
ちょっとしたコツを掴めば本当に簡単です。

犬の様々な要求(命令)は無視をして、飼い主の要求には応えさせる。
日々、これの積み重ねで立場は自ずと飼い主優位になります。

ただ、要求と言っても吠える事だけではありませんので注意が必要です。
可愛い仕草の要求も多々ありますのでそれに気付く事が重要です。

立場がきちんと構築されれば躾はとても入りやすくなります。
家庭ぞれぞれのルールの中でやって良い事と悪い事を決めて、
誉める事と叱る事でコントロール出来れば大丈夫です。
特にドイツのカニンヘンダックスは運動能力が高いので
イスやテーブルに簡単にジャンプして飛び乗れます。
イタズラされたく無い物は手の届かない所に置くと言うのは基本ですが
飛び乗っては行けない所もきちんと教えてあげて下さい。

接し方のコツを掴めば後はさじ加減です。
犬の性格も十犬十色ですので、みんな同じように育てても同じようには
なりません。ちょっとヤンチャでうるさくても、人や犬が大好きで
唸ったり噛んだりせず、みんなに可愛がられるのであれば問題ないくらいの
気持ちで育てると犬の個性も出て楽しめるのでは無いでしょうか。

犬の性格は遺伝しますが先天的な要因と後天的な要因とで決定されます。
持って生まれた個性を人間社会で存分に発揮する為には
ブリーダーがきちんと子犬の性格を見極めた上で、幼少期の環境を整え
尚且つ、新しい飼い主さんに適切なアドバイスをする事、
そして飼い主さんもアドバイス通り育てる事が重要と考えます。