子犬選びは、多くの方にとって心躍る時間です。しかし、かわいさや価格だけで決めてしまうと、その後の暮らしで「こんなはずじゃなかった」と後悔することもあります。
特にダックスフンドは、健康や性格に影響する要素が多く、誰から迎えるか(ブリーダー選び)が、子犬の一生に直結するとも言えます。

このページでは、「子犬を見る目」を養うために、私たちブリーダーが実際にどんな点を重視し、どう判断しているかを余すことなくお伝えします。
迎えた後に後悔しないために、ぜひ「見る視点」を手にしてください。

Contents

【目次】

  1. なぜ「子犬選び」はブリーダー視点が不可欠なのか?
    • チェックリストだけでは分からない背景
    • 子犬選びの結果が将来にどう響くか
  2. 健康状態をどう読むか?ブリーダーが見るべきポイント
    • 目・耳・鼻・口・皮膚・便などの外見チェック
    • 歩き方やバランス感覚が語る“育ちの履歴”
    • 健康証明書・検査書類を見るときの注意点
  3. 性格・気質はこう読む:将来を見据えた判断視点
    • 兄弟・母犬との関係が示す社会性
    • 呼びかけ・音・人への反応に現れる気質
    • 問題傾向になりやすい性格の兆候
  4. 信頼できるブリーダーの条件と見えざる視点
    • 飼育環境の透明性と親犬の公開
    • 繁殖・育成方針に現れる哲学
    • 譲渡後フォロー体制とオーナー関係構築
  5. 見学で絶対に聞くべき質問と、その裏にある意図
    • 質問リスト(健康・遺伝・環境・将来など)
    • ブリーダーの答えをどう評価すべきか
    • 「この対応なら要注意」サイン一覧
  6. 歴戦者向けコラム:すでに飼っている方にも役立つ視点
    • 「次の子を迎えるならこう見たい」チェックリスト
    • 実体験から振り返る、選び方で変わったこと
  7. まとめ:見る目は磨ける。「信頼の視点」を手に
    • 今回のチェックを通して得られる判断力
    • 子犬選びにおける後悔を減らす心構え
  8. 哲学のまとめ:良い子犬よりも、良いブリーダーを選ぶという視点
    • 犬をどう育てたかは“人”に宿る
    • 譲った後も寄り添う存在であるために
    • 値段より信頼、見た目より育ちの本質

1. なぜ「子犬選び」はブリーダー視点が不可欠なのか?

チェックリストだけでは分からない背景

よく言われる「健康チェック項目」は、基本的には正しいです。目が澄んでいるか、耳が清潔か、皮膚に異常はないか…。
しかし、私たちブリーダーが大切にしているのは「なぜそれを見るのか」、そして「その背景に何があるのか」という視点です。

たとえば、どんなに見た目が良くても、その犬がどう育てられ、どんな環境で過ごしてきたかが見えなければ、本質的な判断にはなりません。

子犬選びの結果が将来にどう響くか

ダックスフンドは骨格や筋肉バランスの形成がとても大事な犬種であり、育成期にどんな運動や関わりを経験したかで、将来の健康や性格に大きな差が出ます。
つまり、今その子がどんな状態かだけでなく、「どう育ってきたのか」が分からなければ、安心して迎えることはできません。


2. 健康状態をどう読むか?ブリーダーが見るべきポイント

目・耳・鼻・口・皮膚・便などの外見チェック

チェックリストは、「異常があるかないか」だけを見るものではありません。たとえば:

  • 目の輝きが鈍ければ、免疫や栄養状態に問題があるかもしれない
  • 耳が臭う場合、外耳炎や耳ダニ、ケア不足の可能性がある
  • 鼻の状態が異常なら、感染症の兆候かも

それぞれの項目が「育ちの環境」を物語っています。

歩き方やバランス感覚が語る“育ちの履歴”

子犬の歩き方やバランス感覚には、親犬から受け継いだ骨格・筋肉の質と交配の精度(ブリーディング)の影響が色濃く現れます。

つまり、立ち姿が安定し、足運びがスムーズで左右バランスが取れている子は、生まれ持った“犬質”そのものが良い可能性が高いということです。

もちろん育成環境も重要です。運動不足のまま育てられた子は、どんなに素質が良くても発達に偏りが出ることがあります。また、成長期の食事の質(原材料・栄養設計・吸収性など)も、骨や筋肉の育成を左右する重要な要素です。

見学時には、こうした「体の使い方」に注目しながら、親犬の構成や、どのような交配意図で生まれた子なのかを確認することで、より本質的な判断が可能になります。

育ちを読み解くための“行動と関係性

健康診断書や検査書類では読み取れない、でも本当に大切な要素――それが、「その子がどんな育ちをしてきたか」という「関係性」の履歴です。

たとえば:

  • 人間の手でどれくらい触れられてきたか(抱っこ、声かけ)
  • 母犬からどんなしつけを受けているか(甘噛み、我慢、距離感)
  • 兄弟犬との関わりの中で、どれだけ「社会性」を学んできたか

こうした経験の差は、子犬の性格や行動パターンに直接反映されます。

元気すぎる子もいれば、極端に怖がりな子もいます。
それが「生まれつき」なのか「育ちの影響」なのかを見極めるには、その子が日々どんな環境で育ち、誰とどんな時間を過ごしてきたのかという“関係性の履歴”を見抜くことが必要です。

この視点は、ペットショップや仲介経由では決して得られないものです。
ブリーダーが育ての背景まで語れるかどうかが、最大の見極めポイントになります。


3. 性格・気質はこう読む:将来を見据えた判断視点

兄弟・母犬との関係が示す社会性

兄弟との関わりが自然か、母犬に甘えすぎていないかなど、集団の中での立ち振る舞いを観察します。
社会化がうまくいっていないと、将来的に人や他犬への接し方に問題が出ることがあります。

呼びかけ・音・人への反応に現れる気質

  • 声をかけたときに寄ってくる
  • 物音に驚いてもすぐに立ち直る
  • 人の目を見ることができる

これらは“怖がりすぎないか” “反応が鈍すぎないか”を測る材料になります。

問題傾向になりやすい性格の兆候

  • ずっと隅に隠れている
  • 抱っこで固まる/暴れる
  • 小さな音に極度に驚く

これらは、将来「吠える」「噛む」「引きこもる」といった行動に繋がる可能性があります。


4. 信頼できるブリーダーの条件と見えざる視点

飼育環境の透明性と親犬の公開

信頼できるブリーダーは、育てた環境をすべて見せます。
親犬も紹介し、その性格や健康状態も説明できます。
それは、「育てに自信がある証拠」です。

繁殖・育成方針に現れる哲学

ただ繁殖しているのではなく、「何を大切にしているか」が明確であるか。
たとえば、過度な繁殖を避けている、交配の相性を長く検討している…など、目には見えにくい“信念”こそが大切です。

譲渡後フォロー体制とオーナー関係構築

譲って終わり、ではありません。
何年経っても相談できる、成長を喜べる関係が築けるかどうか。
信頼できるブリーダーは、販売者ではなく「育てのパートナー」であるべきだと考えています。


5. 見学で絶対に聞くべき質問と、その裏にある意図

質問リスト(健康・遺伝・環境・将来など)

  • 親犬の性格や健康状態は?
  • 遺伝性疾患の検査はしていますか?
  • どんな食事・運動・環境で育てましたか?
  • 問題行動が出た場合の対応は?
  • 譲渡後のフォローはどのようにしていますか?

ブリーダーの答えをどう評価すべきか

「検査はしていませんが大丈夫です」ではなく、
「なぜその方針なのか」「どんな考えに基づいているのか」まで説明してくれるかどうかがカギです。

「この対応なら要注意」サイン一覧

  • 親犬を見せたがらない
  • 見学を急がせる
  • 値段交渉を持ちかける
  • 質問に対し不明瞭な回答やはぐらかしがある

6. 歴戦者向けコラム:すでに飼っている方にも役立つ視点

「次の子を迎えるならこう見たい」チェックリスト

  • うちの子との相性は?
  • 問題傾向を見極められる?
  • 前回の反省点をどう活かすか?

実体験から振り返る、選び方で変わったこと

「初めて迎えた子は吠えが強かった。育て方もあったけれど、振り返ると、社会化の時期に十分な人間との関わりがなかったと感じる。
次に迎えるなら、育成期の環境が整っている子にしたい。」


7. まとめ:見る目は磨ける。「信頼の視点」を手に

今回のチェックを通して得られる判断力

見るべきポイントは「見た目」ではなく、「育ち」と「育て手の哲学」です。
チェック項目の背景にある“意味”がわかれば、見る目は自然に育ちます。

子犬選びにおける後悔を減らす心構え

子犬は一生のパートナーです。
価格や見た目ではなく、“信頼できる人”から迎えることが、最良の選択になります。


8. 哲学のまとめ:良い子犬よりも、良いブリーダーを選ぶという視点

犬の健やかさは「人の質」に左右される

どんなに可愛く、健康そうに見える子犬でも、
その命をどんな人間が預かり、どんな想いで育ててきたか――その姿勢は、必ず犬の心と体に現れます。

犬の世界では、「売れればいい」という意識が支配してしまえば、
その育ちに“本当の愛情”や“継続的な責任”が込められることはありません。

犬の質を語る前に、人としての姿勢を見てください。


「この人なら任せられる」と思えるかどうか

犬を迎えるということは、
「この人と10年以上にわたって関わることになる」という、人間関係の始まりでもあります。

  • 疑問があるとき、素直に相談できるか
  • 時には厳しい話にも、真摯に向き合ってくれるか
  • あなたと犬のことを、本気で考えてくれるか

子犬の時期はあっという間に過ぎますが、
誰から迎えたかという“人との関係”は、その後も長く続いていくものです。


値段でも、人気でもなく、「人間性」で選ぶということ

どうか、価格や知名度に惑わされず、
そのブリーダーが持つ“人間性”を見てください。

  • どんな言葉を使う人なのか
  • 譲るとき、どんなことを語るのか
  • 譲ったあとも、本当に気にかけてくれるか

犬の幸せは、育てる人間の姿勢にすべてかかっている
それが、私たちが辿り着いた答えです。


最後に|あなたと犬の未来は、「誰と出会うか」で決まります

シルトクレーテでは、「売る」ことではなく、「一緒に歩むこと」を大切にしています。
本当に信頼できるブリーダーを見つけるということは、子犬の未来だけでなく、あなた自身の安心にもつながると信じています。

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ダックスフント:Dachshund
「ネットを調べると出てくる犬に関する情報」は、表面的な知識で回答されているものが9割で、事実と異なります。これが飼い主にマイナスを生み出します。

24時間/365日を犬を過ごしながら、30年超のブリーディング(繁殖・出産・育成)実体験によって得られた、リアルな"生情報"をお伝えします。

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