「ブリーダー直販なら安心」という言葉、どこかで見聞きしたことはありませんか?
ペットショップを介さず、繁殖を担うブリーダーから直接犬を迎えるという選択肢は、犬との暮らしにおいて理想的とも言われています。

ですが、実は「ブリーダー直販」と一口に言っても、そのすべてが“直接”とは限らないのです。特に「ポータルサイト型」のブリーダー直販には、思わぬ落とし穴があります。この記事では、そんな矛盾を丁寧に紐解きながら、本当に信頼できる出会い方とは何かを考えていきます。


目次

  1. ブリーダー直販のはずなのに「会えない」?矛盾の正体とは
     ┗ ポータル型サイトの仕組みと限界
     ┗ 直販=直接コミュニケーションが取れるとは限らない?
     ┗ なぜ「直接会えない」ことが起きるのか?
  2. 「犬舎を見られない」という致命的なデメリット
     ┗ 親犬・育成環境がわからないと何が問題?
     ┗ 「見た目」だけでは判断できない性格と相性
     ┗ 犬の社会性は育成環境で決まるという事実
  3. 信頼できるブリーダー直販とは?見極める3つの視点
     ┗ 犬舎に実際に見学できるか(オンラインも含め)
     ┗ 親犬の健康・性格・育成方針が公開されているか
     ┗ 迎えた後のアフターサポートが用意されているか
  4. ポータルサイト経由であっても「本物の直販」を見抜くには?
     ┗ プロフィールや実績ではなく「対話」で判断する
     ┗ 信頼できるポータルとそうでないものの違い
     ┗ 「都合の良い情報」だけを鵜呑みにしないために
  5. まとめ|本当に“直接”つながれるブリーダーとの出会い方とは
     ┗ なぜ「顔の見える関係性」が重要なのか
     ┗ 単なる販売ではなく、「共に育てる」という考え方
     ┗ 関連記事:シルトクレーテの考える「見学の意味」とは?

1. ブリーダー直販のはずなのに「会えない」?矛盾の正体とは

ポータル型サイトの仕組みと限界

「ブリーダー直販サイト」と呼ばれるポータルには、多くのブリーダーが登録しています。中には実際に犬舎で生まれ育てた子犬たちを掲載している場合もありますが、問題は“本当にそのブリーダー自身と直接やりとりができるのか?”という点です。

多くのポータルサイトでは、問い合わせも予約も、最初はサイト運営側が窓口になります。そのため、ブリーダー自身の価値観や飼育ポリシーが見えづらく、「顔の見える関係」が築きにくいという本末転倒な構造になってしまうことも。

直販=直接コミュニケーションが取れるとは限らない?

ユーザーとしては「直販サイトで買えば、直接やり取りできる」と思ってしまいがちです。
しかし実際は、事務的な連絡のみで終わってしまうケースもあり、親犬の性格や育成環境について詳しく聞けないまま、子犬の引き渡し日が決まってしまうこともあるのです。

なぜ「直接会えない」ことが起きるのか?

要因としては、以下のような構造的な理由が挙げられます:

  • ポータルサイト運営側が連絡の主導権を握っている
  • ブリーダーが多忙すぎて、個別のやり取りに応じられない体制になっている
  • そもそも「見学前提」のスタイルで運営されていない

これでは、「直販」と言いつつも、実際のブリーダーとの信頼関係を築く機会がないまま契約が進むことになってしまいます。


2. 「犬舎を見られない」という致命的なデメリット

親犬・育成環境がわからないと何が問題?

子犬の健康状態や性格のベースは、親犬とその育成環境に大きく左右されます。
それにも関わらず、犬舎を見学できなければ、衛生状態や社会性の育成プロセス、親犬の性格や健康に関する実情を知る術がありません。

「見た目」だけでは判断できない性格と相性

ポータルサイト上では、写真や簡単な性格説明が掲載されていますが、犬の性格や相性は実際に触れ合ってみなければわからないものです。
「おとなしいと書かれていたのに、実はかなり活発だった」といったミスマッチも起きかねません。

犬の社会性は育成環境で決まるという事実

犬にとって最も重要な時期は、生後約8週〜12週の社会化期。この時期をどのような環境で過ごしたかで、その後の性格や人との関わり方に大きな影響を与えます。
つまり、その子がどんなふうに育てられてきたかを確認する機会がないこと自体、大きなリスクなのです。


3. 信頼できるブリーダー直販とは?見極める3つの視点

犬舎に実際に見学できるか(オンラインも含め)

もっとも基本的かつ重要なポイントです。信頼できるブリーダーは、見学の重要性を理解しており、積極的に案内しています。
遠方の場合には、オンライン見学や動画での事前紹介を行っているブリーダーもいます。

親犬の健康・性格・育成方針が公開されているか

ただ「元気な子犬です」ではなく、親犬の健康チェック記録や、育成方針、日々の生活環境まで詳しく説明しているかどうかが見極めの鍵です。

迎えた後のアフターサポートが用意されているか

信頼できるブリーダーは、子犬を引き渡して終わりではなく、その後の暮らしを共に支える姿勢を持っています。
食事やしつけの相談、健康面でのアドバイスなどが受けられるかを確認しておきましょう。


4. ポータルサイト経由であっても「本物の直販」を見抜くには?

プロフィールや実績ではなく「対話」で判断する

華やかなプロフィールや受賞歴よりも、「実際に話してみて安心できるか」を重視してください。質問への回答が曖昧な場合は要注意です。

信頼できるポータルとそうでないものの違い

以下のような特徴が見られるポータルは比較的信頼性が高い傾向にあります:

  • 実際の犬舎訪問レポートが掲載されている
  • ブリーダーへのインタビュー記事がある
  • 「ブリーダー選び」そのものへの啓発コンテンツが豊富

反対に、「子犬の一覧と価格だけが並んでいる」ようなサイトは、実質的にショップと変わらない機能になっていることも。

「都合の良い情報」だけを鵜呑みにしないために

ポータルやブリーダーが提供する情報だけで判断するのではなく、第三者の視点や、実際にその犬舎から迎えた人の声を参考にすることも大切です。


5. まとめ|本当に“直接”つながれるブリーダーとの出会い方とは

なぜ「顔の見える関係性」が重要なのか

子犬を迎えることは、「物を買う」行為ではありません。
生涯のパートナーを迎えるということは、その命の出どころや背景も含めて信頼することが求められます。

単なる販売ではなく、「共に育てる」という考え方

本当に信頼できるブリーダーは、子犬の未来に責任を持ち、飼い主との「共育(ともいく)」の関係を築こうとしています。
「売る」ことが目的なのではなく、「その犬が幸せに暮らせる」ことが目的なのです。

  • カニンヘンダックス・ミニチュアダックスで世界No.1として有名になったトラストブリーダー・亀川正敏

    宮城県登米市のドイツ純血ダックス専門犬舎(シルトクレーテ)で、繁殖・育成環境を構築し、24時間/365日を犬を過ごしながら、世界水準のブリーディングを追求。先天性遺伝の排除、骨格構成・性格など「ダックスの犬質」にこだわったブリーディング歴30年超。 日本国内ではJKCのアウトスタンディングブリーダー、ペディグリーアワード、本部展BOBなどチャンピオン多数受賞。国際舞台では、World Dog Show 2017 Leipzig World Best Breeder ML Dachshund、KL Dachshundなど、アジア・ヨーロッパ・世界各地のドックショーで、数々のチャンピオン受賞歴を持つ。 日本基準にとらわれず、世界基準であるFCI(国際畜犬連盟)に忠実な犬づくりを徹底。「本物の美しさと健全性、そして精神性を未来へ継承すること」を使命とする。JKC公認ハンドラー。

「犬を選ぶのは一瞬、後悔は一生」飼ってから泣かないために、必ず1度みてください

ダックスフント:Dachshund
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