犬を迎えたいと考えたとき、多くの人が「信頼できるブリーダーから直接迎えたい」と思うようになっています。その流れの中で人気を集めているのが、全国のブリーダー情報をまとめた“ポータルサイト”や“ナビサイト”です。
しかし、そうしたサイトで「優良ブリーダー直販」と書かれていても、そのすべてが本当に信頼できるとは限りません。

この記事では、ポータル・ナビサイトを利用する際に気をつけるべき点や、見逃しがちなリスクについて詳しく解説します。
「安心」と「信頼」の違いを理解し、本当に心から納得できる選択ができるよう、お手伝いできれば幸いです。


目次

  1. 優良ポータル・ナビサイトとは?その意義と安心できる基準
     └ 犬を迎えるときに便利なポータル・ナビサイトとは何か
     └ 「安心できるサイト」とされる基準(登録審査・レビューなど)
     └ それでも注意したい、“信頼”との違い
  2. 注意点とリスク|代表的なトラブル事例と避け方
     └ 実物の犬と写真の印象が違う?健康状態の見落とし
     └ 血統書やワクチン証明が届かない・説明が不十分
     └ 登録だけで掲載されている「審査の甘いサイト」の見極め方
  3. 「飼う前だけでなく飼った後も」役立つ知恵
     └ ブリーダーの姿勢は、レビューの読み方からも見えてくる
     └ 引き渡し後の相談に応じるか?アフターサポートの有無
     └ 経験者・動物病院・トリマーのリアルな声をどう活かすか
  4. 見学や対面をどう設計すればよいか?
     └ 法律で定められている「現物確認」「対面説明」の意味とは
     └ 遠方の場合に活用される写真・動画の活用と注意点
     └ 実際に訪れる際に気をつけたい「見るべきポイント」
  5. 信頼できるサイトの見分け方—チェックリスト方式
     └ 審査の透明性・詳細さ(例:30項目以上)を確認しよう
     └ 契約・トラブル時の対応体制はあるか?
     └ サイト運営側がブリーダーと“会っている”かがカギ
  6. 事例に学ぶ「やってはいけない」「気をつけたい」サイン
     └ 「今決めないと他の人に売ります」と急かす対応はNG
     └ 説明不足・書類不備があるときにどう対応すべきか
     └ 常時多犬種・多頭を扱う=繁殖の質の見極めが必要
  7. 最終的に大切なのは、「顔が見える信頼」
     └ 便利さよりも「人柄・価値観」が共感できるか
     └ 不安なことを率直に聞けるかどうかが判断基準
     └ 最後は「この人から迎えたい」と思えるかどうか

1. 優良ポータル・ナビサイトとは?その意義と安心できる基準

犬を迎える方法として、最近多くの人が利用しているのが「ブリーダー直販ポータルサイト」です。数多くの犬種や地域、ブリーダーの情報を一括で閲覧できるため、便利に見えるのは当然かもしれません。

一般的に「安心できるサイト」とされる条件には、以下のようなものがあります:

  • 第一種動物取扱業の登録が確認済みであること
  • 審査項目が設定されており、一定基準をクリアしたブリーダーのみが掲載されていること
  • 顧客レビューや評価があり、利用者の声を参考にできること

ただし、ここで注意が必要なのは、「安心できる仕組み」と「信頼できる人柄」はイコールではないということ。
条件を満たしていても、繁殖の姿勢や命への向き合い方には大きな差があることを、ぜひ頭に入れておいてください。


2. 注意点とリスク|代表的なトラブル事例と避け方

ポータルサイトの情報だけを鵜呑みにしてしまうと、以下のようなリスクが現実に起こり得ます。

実物の犬と写真の印象が違う

写真の光の加減や加工によって、実際の犬の印象と大きく異なることがあります。元気そうに見えても、体調が思わしくないケースもあります。

血統書やワクチン証明が届かない

「あとで郵送します」と言われた書類が、何度問い合わせても届かない…。残念ながらこうした事例も少なくありません。

登録審査の甘さ

「登録済み=信頼できる」とは限りません。中には書類だけで簡単に掲載できるサイトも存在し、ブリーダーの犬舎環境を直接確認していないこともあります。


3. 「飼う前だけでなく飼った後も」役立つ知恵

レビューは“行間”を読む

星の数や短いコメントだけでなく、「具体的なやり取りの様子」や「対応の丁寧さ」が書かれているレビューは信頼性が高く参考になります。

アフターサポートの姿勢を見る質問例

「もし迎えた後に困ったことがあったら相談できますか?」
この一言にどう答えるかで、そのブリーダーの誠実さが見えてきます。

経験者・プロの意見を取り入れる

動物病院、トリマー、犬の訓練士など、第三者の専門家の意見も非常に参考になります。すでに犬を迎えた人のリアルな声にも耳を傾けてみましょう。


4. 見学や対面をどう設計すればよいか?

日本の法律では、動物の購入に際して「現物確認」と「対面説明」が義務化されています。これは、トラブルや無責任な取引を防ぐための重要な制度です。

遠方で何度も行くのが難しい場合には、動画や写真による代替も可能ですが、必ず“編集されていない自然な様子”を確認しましょう。
また、見学時には、犬舎の清潔さだけでなく、犬の表情や動き、親犬の様子にも注意を払うことが大切です。


5. 信頼できるサイトの見分け方—チェックリスト方式

  • ブリーダーの審査項目が詳細かつ公開されている
  • トラブル発生時の対応窓口・相談体制がある
  • サイト運営者自身がブリーダーと対話・訪問している

このような点を踏まえて、サイトそのものが“信頼の文化”を重視しているかを見抜きましょう。


6. 事例に学ぶ「やってはいけない」「気をつけたい」サイン

  • 見学を拒まれる/契約を急がされる場合は要注意
  • 書類や説明が不十分なまま話が進むのは避ける
  • 常時多犬種を扱っている場合は、繁殖方針の精査が必要です

7. 最終的に大切なのは、「顔が見える信頼」

どれほど便利なサービスでも、最終的には「この人から迎えたい」と思えるかどうかがすべてです。

大切なのは、「条件」ではなく、「対話の姿勢」や「命に対する真摯な向き合い方」。
あなたの眼差しが、これから迎える犬の一生を左右する――その重みを、ぜひ忘れずにいてください。


  • カニンヘンダックス・ミニチュアダックスで世界No.1として有名になったトラストブリーダー・亀川正敏

    宮城県登米市のドイツ純血ダックス専門犬舎(シルトクレーテ)で、繁殖・育成環境を構築し、24時間/365日を犬を過ごしながら、世界水準のブリーディングを追求。先天性遺伝の排除、骨格構成・性格など「ダックスの犬質」にこだわったブリーディング歴30年超。 日本国内ではJKCのアウトスタンディングブリーダー、ペディグリーアワード、本部展BOBなどチャンピオン多数受賞。国際舞台では、World Dog Show 2017 Leipzig World Best Breeder ML Dachshund、KL Dachshundなど、アジア・ヨーロッパ・世界各地のドックショーで、数々のチャンピオン受賞歴を持つ。 日本基準にとらわれず、世界基準であるFCI(国際畜犬連盟)に忠実な犬づくりを徹底。「本物の美しさと健全性、そして精神性を未来へ継承すること」を使命とする。JKC公認ハンドラー。

「犬を選ぶのは一瞬、後悔は一生」飼ってから泣かないために、必ず1度みてください

ダックスフント:Dachshund
「ネットを調べると出てくる犬に関する情報」は、表面的な知識で回答されているものが9割で、事実と異なります。これが飼い主にマイナスを生み出します。

24時間/365日を犬を過ごしながら、30年超のブリーディング(繁殖・出産・育成)実体験によって得られた、リアルな"生情報"をお伝えします。

・危険な繁殖や、健全な犬をつくるブリーダー、決定的はここをみる
・ムダ吠え、夜泣き、しつけの問題が、飼い主と暮らす前に決まる理由
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・売れ残りの6ヶ月と、育成済みの6ヶ月では、意味が全く違う

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