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ダックスフンドの起源は諸説ありますが最も古い時代の記録が
今から約3500年前の古代エジプト新王国時代、
トトメス3世(紀元前1479-1425)の壁画に長胴短肢の犬が
描かれており、更にその壁画の中には「tekal」や「tekar」と
読める文字が刻まれていて、ドイツでのダックスフンドの別称で
ある、「teckel」に由来するのではないかとも言われております。
あくまでも憶測となっておりますが、現在のダックスの
ルーツとなっているのならば、とても素敵な事だと感じます。

現在のダックスフンドと関わる記録があるのは12世紀頃で
スイスのジェラ山岳地方のジェラ・ハウンドを基礎犬とし、
ドイツやオーストリアの山岳地帯にいた中型ピンシェルとの交雑によって
現在のスムースヘアードダックスフンドの基礎犬を作り出しました。
当時のサイズは10~20kg台と、今のスタンダードダックスよりも
大きかったようです。

ロングヘアーは15世紀頃にスパニエル系鳥猟犬と
ジャーマン・ストベルフンド(鳥猟犬)との交雑で作出されたと
言われており、16世紀の木版画にはダックスフンドの姿をした
長毛の犬が描かれています。

17世紀頃にはシュナウザーや剛毛のテリア系との交雑で
ワイヤーヘアーも作出されておりましたが現在のワイヤーヘアーの
特徴を作るような慎重な交配がなされていたわけではないようです。

当時のダックスフンドは猟犬としての能力は全ての犬に
共通しておりましたが、その地域の天候や地形などを考慮した繁殖が
なされ、現在よりもダックスフンドとしての特徴には、ばらつきがあったようです。

19世紀には本来のアナグマ猟の目的以外にも小型の動物であるウサギ等を
狩猟出来るように小型化がなされ、現在のミニチュアダックスや
カニンヘンダックスの基礎犬が作出されるようになりました。
たまたま生まれた小さいダックスや小型のテリアやピンシャーを
繁殖に使い、小型化はしましたがダックスフンドの特徴からは
かけ離れた犬も増えてしまったようです。

1888年には最古のクラブと言われ、ダックスフンドの繁殖に尽力した
ドイツテッケルクラブ(Deutscher teckel klub)が創立され、
1910年にダックスフンドの品種改良を安定させる為の
厳しい基準(ブリードスタンダード)が設けられ、
それぞれの毛質で、交配する犬種が定められました。
スムースはミニチュアピンシャー、ロングはパピヨン、
ワイヤーはミニチュアシュナウザーと言う事に定め、
現在のダックスフンドの原型が固定されて行きました。

その後もブリードスタンダード(犬種標準書)を基準にし、
時には改訂をしながら世界中の多くのブリーダーの努力により、
現在のように特徴の安定したダックスフンドが多く見られるようになりました。