ペットショップのショーケースに並ぶ、小さなミックス犬。
クリクリの目、ちょこんとした体つき、見た目の可愛らしさに心を奪われた経験のある方も多いのではないでしょうか。

けれど、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
その子は、どこで、どんなふうに生まれ、育ったのでしょうか?
そして、今その子が「売られている」という事実の裏側には、どんな背景があるのでしょうか。

この記事では、ペットショップでミックス犬を迎える前に、知っておいてほしい重要なポイントを解説します。

目次

  1. ペットショップのミックス犬とは?どんな特徴があるの?
     ┗ ミックス犬の人気が高まっている理由とは?
     ┗ 見た目の可愛さと「予測できない個性」
  2. ペットショップのミックス犬にどんなリスクがあるの?
     ┗ 親犬の情報がわからないことの怖さ
     ┗ 健康管理・遺伝疾患のリスクとは?
     ┗ 「いつでも買える」手軽さの裏にある問題
  3. なぜ「育ち」が大切なの?可愛さだけでは決められない理由
     ┗ どんな環境で育ったかは、性格や健康に直結する
     ┗ 「社会化期」の過ごし方が一生を左右する
  4. ブリーダーとペットショップ、何が違うの?
     ┗ 繁殖の目的と考え方の違い
     ┗ 透明性・アフターケア・情報開示
  5. それでも迎えるなら、どんなことに注意すればいい?
     ┗ 最低限チェックしたい3つのポイント
     ┗ 不安を減らすためにできること
  6. すでにペットショップで迎えた方へ|安心して暮らすためにできること
     ┗ 初めての1週間にすべきこと
     ┗ 健康や性格に気になる点を感じた時、相談すべき相手は?
     ┗ 予防・ケア・社会化のための身近な対策
  7. まとめ|その子の「背景」と「未来」に目を向けてみよう
     ┗ 「育ち」「つながり」「その後」への視点
     ┗ シルトクレーテが提唱する、信頼を育む繁殖哲学とは

1. ペットショップのミックス犬とは?どんな特徴があるの?

ミックス犬の人気が高まっている理由とは?

「チワプー」や「マルプー」「ダップー」など、人気犬種の組み合わせで生まれたミックス犬たちは、独自の見た目や性格が魅力的です。
抜け毛が少ない、おとなしい、かわいい…そんな“いいとこ取り”のイメージが広まり、ペットショップでも多く見かけるようになりました。

見た目の可愛さと「予測できない個性」

ただし、ミックス犬は純血種とは違い、親の性格や遺伝的な特徴が複雑に混ざり合います。
たとえば、ある子は母犬似、兄弟は父犬似…ということも珍しくありません。
成犬になってから見た目が変わったり、思っていたより活発・神経質な性格になることも。


2. ペットショップのミックス犬にどんなリスクがあるの?

親犬の情報がわからないことの怖さ

多くのペットショップでは、「母犬の情報すらほとんど提示されない」ことがあります。
どんな体質を持つ子なのか、性格や疾患リスクはどうなのか…。
情報が不透明なまま販売されているケースも少なくありません。

健康管理・遺伝疾患のリスクとは?

特に注意すべきなのが「遺伝的な病気のリスク」です。
無理な繁殖や遺伝管理が行われていない場合、将来的に重大な疾患が発覚することもあります。
例えば、膝蓋骨脱臼、心疾患、目の病気など。ミックス犬であっても、遺伝的なリスクはゼロではありません。

「いつでも買える」手軽さの裏にある問題

ペットショップでは、いつでも犬を「商品」として手に入れることができます。
でも、本来、命とはそんな「簡単に手に入るもの」ではないはずです。
手軽に買えるということは、同時に「簡単に手放されてしまう」リスクもあるということ。
背景にある“命の軽視”について、立ち止まって考える必要があります。


3. なぜ「育ち」が大切なの?可愛さだけでは決められない理由

どんな環境で育ったかは、性格や健康に直結する

子犬の性格や健康は、遺伝だけでなく「育った環境」に大きく左右されます。
十分な母犬との時間、兄弟犬とのふれあい、人との信頼関係を築く時間。
これらが不足したまま育つと、将来的に吠えやすくなったり、社会性が育たなかったりする可能性があります。

「社会化期」の過ごし方が一生を左右する

特に生後3週〜12週の「社会化期」は、一生の性格を左右する非常に重要な時期です。
この時期に安心して過ごせたかどうかが、将来の問題行動の有無に大きく影響します。
ペットショップでは、母犬や兄弟犬と引き離されるのが早いため、この社会化期をきちんと過ごせていないことも多いのです。


4. ブリーダーとペットショップ、何が違うの?

繁殖の目的と考え方の違い

ブリーダー(特に信頼できるトラストブリーダー)は、犬の幸せを第一に考え、「健康で幸せな家庭犬を育てる」ことを目的としています。
一方で、ペットショップやその供給元は、「販売」を目的とした繁殖になりがちです。

透明性・アフターケア・情報開示

信頼できるブリーダーは、親犬の健康状態や性格、育成環境までオープンにし、必要な知識を丁寧に伝えてくれます。
さらに、迎えた後のフォローや相談にも乗ってくれるのが特徴です。
ペットショップでは、そこまでのサポートを受けられないケースが多いため、注意が必要です。


5. それでも迎えるなら、どんなことに注意すればいい?

最低限チェックしたい3つのポイント

  1. 親犬の情報が提示されているか?
  2. 生後何週で販売されているか?(8週齢未満は避けたい)
  3. 育った環境について、スタッフがきちんと説明できるか?

不安を減らすためにできること

  • できれば「その場の衝動」で決めず、数日考える時間を取る
  • 専門家や経験者に相談する
  • ペットショップ以外の選択肢(ブリーダー・保護犬など)も比較する

6. すでにペットショップで迎えた方へ|安心して暮らすためにできること

初めての1週間にすべきこと

・動物病院での健康チェック
・過ごしやすい環境づくり
・ストレスの少ない接し方を心がける

健康や性格に気になる点を感じた時、相談すべき相手は?


・しつけインストラクターやドッグトレーナー
・ブリーディングや飼育に詳しい専門家
・信頼できる獣医師

予防・ケア・社会化のための身近な対策

・定期的な健康チェック
・落ち着いた環境での生活
・少しずつ他の犬や人とのふれあいを増やす


7. まとめ|その子の「背景」と「未来」に目を向けてみよう

「育ち」「つながり」「その後」への視点

ミックス犬というだけで問題があるわけではありません。
ですが、その子が「どこで、なぜ、どうやって」生まれたのか。
そして、これから「どう育っていくか」も含めて、しっかり考えることが大切です。

命は、商品ではありません。
その子と向き合う覚悟があれば、出会いはきっとかけがえのないものになります。

  • カニンヘンダックス・ミニチュアダックスで世界No.1として有名になったトラストブリーダー・亀川正敏

    宮城県登米市のドイツ純血ダックス専門犬舎(シルトクレーテ)で、繁殖・育成環境を構築し、24時間/365日を犬を過ごしながら、世界水準のブリーディングを追求。先天性遺伝の排除、骨格構成・性格など「ダックスの犬質」にこだわったブリーディング歴30年超。 日本国内ではJKCのアウトスタンディングブリーダー、ペディグリーアワード、本部展BOBなどチャンピオン多数受賞。国際舞台では、World Dog Show 2017 Leipzig World Best Breeder ML Dachshund、KL Dachshundなど、アジア・ヨーロッパ・世界各地のドックショーで、数々のチャンピオン受賞歴を持つ。 日本基準にとらわれず、世界基準であるFCI(国際畜犬連盟)に忠実な犬づくりを徹底。「本物の美しさと健全性、そして精神性を未来へ継承すること」を使命とする。JKC公認ハンドラー。

「犬を選ぶのは一瞬、後悔は一生」飼ってから泣かないために、必ず1度みてください

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「ネットを調べると出てくる犬に関する情報」は、表面的な知識で回答されているものが9割で、事実と異なります。これが飼い主にマイナスを生み出します。

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