目次

  1. 今、目の前で起きている現実
  2. なぜ殺処分はなくならないのか?
  3. 「保護される命」が必要とされ続ける構造
  4. 迎える前にできること、迎えた後に気づけること
  5. 本当に変えるべきは“命の出口”ではない
  6. 売れ残りが生まれる仕組みと、その行き着く先
  7. 救うことの限界と、その裏にある矛盾
  8. 「この子を迎えてよかった」と心から思える迎え方とは?
  9. トラストブリーディングという選択肢
  10. 保護団体が“不要になる社会”をつくるために
  11. 私たちが変えられる未来

1. 今、目の前で起きている現実

“命を救う”という言葉が、これほど多く使われる時代はないかもしれません。
保護犬、保護猫、譲渡会、殺処分ゼロ運動…。SNSやニュースでも日常的に取り上げられ、たくさんの人が「何かできることを」と動いています。

しかし、その一方で、どこか奇妙な矛盾が存在しているのも事実です。

保護活動がこれほど広がっているのに、なぜ「救われる命」は減らないのでしょうか?
なぜ犬たちは、今も「処分対象」とされ続けているのでしょうか?

私たちは今、「守ることが当たり前になった社会」の中で、
実は“なぜ守らなければならない命が存在し続けているのか”を、深く問い直さなければならない時期に来ています。


2. なぜ殺処分はなくならないのか?

日本ではここ10年、殺処分数は大幅に減少しました。
国や自治体、保護団体、そして個人の努力によって、多くの命が「殺されずに済む」選択肢を得たのです。

しかし、それでも「ゼロ」にはなっていません。
そして、数字上ゼロに近づいた背景には、いくつかの見落とされがちな事実があります。

例えば「譲渡不適」とされた個体。重い病気、極度の攻撃性、高齢…。
表には出てこない形で処分されている命は、いまだに存在しています。

また、自治体が処分を免れたとしても、民間施設や保護団体に“転送”されただけという場合もあります。
つまり、「数字上のゼロ」は、問題の解決ではなく、表面上の回避にすぎないこともあるのです。


3. 「保護される命」が必要とされ続ける構造

なぜ、犬たちは“保護されなければならない存在”になってしまうのでしょうか?

その理由の多くは、シンプルです。
「無責任な繁殖」と「安易な流通」、そして「放棄」にあります。

人気犬種を大量に繁殖し、流通し、売れ残れば“見切り品”として安売り、
あるいは保護という名目で引き取られ、譲渡対象へと切り替えられる――

そう、今の日本のペット産業には、命が生まれ、売れず、処分・保護されるまでが経済モデルとして循環してしまう構造が、存在しているのです。

保護団体は、そうした“構造の最後の砦”として存在しています。
だからこそ、どれだけ善意に支えられていても、そもそもの構造が変わらない限り、保護団体の必要性はなくならないのです。


4. 迎える前にできること、迎えた後に気づけること

犬を「迎える」という行為は、多くの人にとって人生の大きなイベントです。
しかしその選択が、社会の構造を変える力を持っていることに気づいている人は、決して多くありません。

「どこで迎えるか」は、単に“価格”や“アクセス”の問題ではなく、
その犬がどんな背景で生まれたかを見極めるための出発点なのです。

もしもあなたが今から犬を迎えるなら――
その犬は、どんな親から生まれ、どんな環境で育ったのか?
その繁殖に、誰がどんな責任を持っているのか?

こうした問いに目を向けるだけで、
“保護される必要のない命”を支える選択に、あなたも参加することができます。

また、すでに犬と暮らしている方も、
「なぜこの子がここにいるのか?」「この子の命はどんなルートをたどってきたのか?」を考えることが、
次の命の在り方を変えるきっかけになるのです。


5. 本当に変えるべきは“命の出口”ではない

保護活動は、命の“出口”での努力です。
捨てられた命を救う、処分されるはずだった命をつなぐ――それは間違いなく尊い行為です。

しかし私たちが本当に向き合うべきなのは、
なぜその命がそこに流れ着くことになったのか?という「入り口の構造」なのです。

犬は、人の手によって“意図的に”生み出される存在です。
つまり、その生まれ方には、必ず“誰かの意図”が介在しています。

「売れるから」「可愛いから」「流行っているから」
そんな理由だけで命が生まれたとしたら――
その命の行き先は、本当に幸福といえるでしょうか?

構造を変えるには、“生まれる前の責任”に光を当てなければなりません。


6. 売れ残りが生まれる仕組みと、その行き着く先

ペットショップで販売されている犬たちは、多くの場合、繁殖場(ブリーダー施設)で大量に生まれたうちの一部です。
可愛く、若いうちに売れなければ、価格はどんどん下げられ、
一定の期間を過ぎると「在庫」として流通から外されます。

その先にあるのは、以下のような現実です。

  • 自社が運営する“保護団体”に移送し、別形態で販売される
  • ブローカーによって地方に流され、処分対象となる
  • 飼育コスト削減のため、繁殖施設内で放棄される

このように、売れ残りの命は“救済”というより、“再流通”として扱われている場合もあるのです。

私たちは気づかぬうちに、消費者としてこの構造を支えてしまっていることも忘れてはなりません。

7. 救うことの限界と、その裏にある矛盾

保護活動の現場にいる人たちは、心から命を救おうとしています。
毎日、傷ついた犬をケアし、里親を探し、トライアルと失敗を繰り返しながら、一頭でも多くの命を繋ごうと奮闘しています。

けれど、その現場の声に耳を傾けると、必ずと言っていいほど出てくる言葉があります。

「終わりが見えない。」

どれだけ譲渡しても、また次の命がやってきます。
飼育放棄、遺棄、ブリーダーからの引き取り要請…。
そのうちに疲弊し、団体としての活動を継続できなくなるケースも少なくありません。

この状況は、“善意”のはずの保護が、構造そのものの“補完装置”になってしまっているという、悲しい矛盾を物語っています。


8. 「この子を迎えてよかった」と心から思える迎え方とは?

すべての命に、その命らしい幸せな一生があってほしい――
それは飼い主として、誰もが願うことだと思います。

では、その願いを本当に叶えるには、どうすればいいのでしょうか?

答えのひとつは、「最初から、無理のない子と出会うこと」です。

健康に不安が少なく、性格が安定していて、生活スタイルに合った犬と出会えること。
それは偶然ではなく、繁殖の段階から“考えられた命”と出会うという選択肢があってこそ、実現できることなのです。

「選ぶ」ことには、責任がともないます。
ですが同時に、「考え抜かれた命」と出会える喜びは、かけがえのないものでもあります。


9. トラストブリーディングという選択肢

「この親犬から、子をとるべきか?」
「この犬種が持つ特性を理解してくれる人に託せるか?」
「この子の生涯に、幸せが約束できるか?」

そうした問いに、ひとつひとつ向き合いながら命を生み出す。
それが、トラストブリーディング(信頼に足る繁殖)という考え方です。

生まれる前から犬の未来を設計し、
心身の健康、性格の安定、育成環境の質を追求する――
この繁殖スタイルは、単なる技術ではなく、「社会全体の命の質」を高める営みでもあります。

もちろん、トラストブリーダーの数はまだ少数派です。
ですが、彼らの活動は確実に、「保護が前提の社会」に風穴をあける存在になりつつあります。

10. 保護団体が“不要になる社会”をつくるために

「保護団体が不要になる社会」とは、極端な話ではありません。
むしろそれは、すべての命が最初から適切に扱われ、放棄される理由が存在しない社会のことです。

  • 適切な繁殖によって、健康で性格の安定した犬が生まれる
  • 犬種特性に理解のある家庭に、丁寧に託される
  • 飼育後も継続的にサポートを受けられる
  • 問題行動が起きても、育った背景がわかるため対応しやすい

このような流れが社会全体に根付き、「救わなければならない命」がなくなる状態――
それこそが、本来目指すべき「殺処分ゼロ」の本質です。

保護団体の存在は、私たちにその現実を教えてくれます。
けれど本当の理想は、「保護という行為自体が不要になること」。
誰もがそう願えるようになった時、はじめて社会は変わり始めるのです。


11. 私たちが変えられる未来

変えるべきは、巨大なシステムや国の制度だけではありません。
私たち一人ひとりの選択こそが、未来の命の在り方を変えていくのです。

  • ペットショップに並ぶ子犬を見たとき、「どこでどう生まれたのか?」と立ち止まる
  • 「可愛い」だけで命を選ばず、「どんな命とどんな暮らしがしたいか」で考える
  • 家族として迎えるなら、最初から“安心”が設計された命を選ぶ

たったそれだけで、「いらない命」などという言葉が、この社会から消える日が近づいていきます。

「命は、誰かに救われるために生まれてくるのではない」
――この当たり前の感覚を、社会の常識にしていくこと。

それこそが、私たち一人ひとりにできる、最も力強いアクションなのです。

なぜ、賢い愛犬家は「プロが12ヶ月育成した」成犬ミニチュアダックスを選ぶのか?

ダックスフント:Dachshund
夜泣き、トイレの失敗、ご近所への謝罪…。 「あんなに頑張ったのに、どうして?」 もし、あなたが過去の愛犬との暮らしでそう感じたことがあるなら、このレポートが救いになるはずです。

実は、しつけがうまくいかない原因は、あなたのやり方ではありませんでした。

「生後2〜3ヶ月で迎える」という、日本の常識そのものに無理があったとしたら?

「プロに12ヶ月育ててもらう」という新しい選択肢を、まずは知ってください。