「ダックスフンドがよく吠えるのは“無駄吠え”だから、しつけで止めさせましょう」。
そんな情報を見かけることは多いかもしれません。
チャイムが鳴るとテレビの音が聞こえないほど吠える、夜中に突然うなり声をあげる…。
飼い主さんにとっては困ってしまう場面ですが、本当にその声は“無駄”なのでしょうか?
ダックスフンドが発する「声」には、明確な理由があります。
それは単なる困りごとではなく、彼らのルーツに基づく本能の表れであり、何らかの意思表示です。
この記事では、ダックスフンドの吠えを「問題行動」として見るのではなく、本質的に理解し、共に幸せに暮らすための向き合い方を解説します。
Contents
目次
- 【そもそも「無駄吠え」ってなに?】
└「無駄吠え」という言葉の背景と誤解
└本当に“無駄”なのか?行動を見直す問いかけ - 【ダックスフンドが吠える理由は「本能」にある】
└猟犬としての役割=声は「仕事道具」
└警戒心と番犬気質
└健全な本能の表れとしての吠え - 【吠える声は“サイン”である。聞き分けできていますか?】
└声色と心理の対応表
└日常シーン別の吠えとその意味 - 【テクニックの前に必要な「関係性」の土台】
└なぜマニュアル通りのしつけがうまくいかないのか?
└「人に気を使える犬」に育てるために
└本能を満たす「ガス抜き」も忘れずに - 【まとめ — 吠えを通じて深まる関係性】
└その声の奥にある思いを受け取るということ
└信頼関係があって初めて届く「大丈夫だよ」
1. そもそも「無駄吠え」ってなに?
「無駄吠え」という言葉の背景と誤解
「無駄吠え」という言葉は、日常でもネット上でもよく使われます。
一般的には、「理由がないのにただ吠える」「飼い主が困るタイミングで吠える」といったニュアンスで使われがちです。
しかし実際には、犬が理由もなく吠えることはほとんどありません。
何かに反応して、あるいは不快や不安のサインとして、声をあげているのです。
私たち人間が「無駄だ」と判断しているだけで、犬にとってはすべて意味を持つ行動なのです。
本当に“無駄”なのか?行動を見直す問いかけ
もしあなたが「うちの子、よく吠えるな…」と感じているとしたら、
「うるさい!」と叱る前に、一度立ち止まってこう問いかけてみてください。
「なぜこのタイミングで吠えたのか?」
それは「外敵を追い払うため」かもしれないし、
「大切な縄張りを守ろうとしている」のかもしれません。
あるいは「ストレスがたまっている」「何か満たされていない」ことのSOSという可能性もあります。
2. ダックスフンドが吠える理由は「本能」にある
猟犬としての役割=声は「仕事道具」
なぜダックスフンドの声は、体のサイズの割に太く、よく響くのでしょうか?
それは彼らが元々、アナグマ猟のために改良された狩猟犬だからです。
地中の巣穴に潜り、獲物を追い詰めたとき、地上にいるハンター(飼い主)に自分の位置を知らせるために、
「吠え続けること」が彼らの重要な仕事でした。
つまり、ダックスフンドにとって吠えることは、命令に背く行為ではなく、
体に染み込んだ優秀な本能なのです。
警戒心と番犬気質
また、ダックスフンドには非常に強い警戒心と縄張り意識があります。
これも狩猟犬時代の名残であり、外敵から自分や仲間を守るための機能です。
インターホンの音や玄関の足音、すれ違う人や犬に反応して吠えるのは、
「ここは自分の縄張りだぞ!」「怪しい存在が来たぞ!」と、警告し追い払うための防衛反応(仕事)と言えます。
現代の家庭犬として暮らす中で、その役割は必要とされなくなりましたが、犬自身のDNAは変わりません。
「声が大きい」「よく吠える」とされるのは、むしろ本能が健全に働いている証とも言えるのです。
3. 吠える声は“サイン”である。聞き分けできていますか?
ダックスフンドは声帯が発達しているため、声のトーンで感情を使い分けるのが上手です。
「吠える」を一括りにせず、その音色に耳を傾けてみましょう。
代表的な声色と心理
| 声の特徴 | 犬の心理 | 翻訳例 |
|---|---|---|
| 「ワンッ!ワンッ!」(高く短い) | 要求・歓喜 | 「ねえねえ!遊ぼう!」「ごはんちょうだい!」 |
| 「ウーッ…バウッ!」(低く太い) | 警戒・警告 | 「近づくな!」「怪しい音がするぞ!」 |
| 「キャンキャン!」(甲高く連続) | 恐怖・パニック | 「痛い!怖い!助けて!」 |
| 「クゥ〜ン…」(鼻にかかった声) | 不安・甘え | 「寂しいよ…」「誰かいないの?」 |
日常シーン別の吠えとその意味
- 来客・インターホン → 警戒・縄張り意識(侵入者を追い払おうとしている、群れに知らせている)
- 留守番中 → 分離不安・寂しさ(群れから離れる恐怖の吐露)
- 散歩中の他犬への吠え → 社会化不足、または恐怖(攻撃される前に相手を遠ざけたい)
どのケースでも共通しているのは、
「吠えるという行動には、必ず『理由』や『表現したい意思』がある」という点です。
4. テクニックの前に必要な「関係性」の土台
なぜ、マニュアル通りの対応が逆効果になるのか?
よくあるしつけのアドバイスに「犬の前に割って入って止める」「『ダメ』と叱る」というものがあります。
しかし、これらが効果を発揮するのは、飼い主と愛犬の間に強い信頼関係がある場合だけです。
関係性がまだ築けていない状態で、飼い主が慌てて制止しようとしても、犬にとってはその意図がうまく伝わらないことがあります。
- 「自分が頑張って警戒しているのに、なぜ止められるの?」
→ 飼い主の行動が混乱や戸惑いを生み、逆に緊張を高めてしまうことも。 - 「飼い主も大きな声を出してる=一緒に興奮してるのかも?」
→ 結果として、犬の中では「警戒すべき状況が続いている」と受け取られ、吠えがエスカレートしてしまう場合があります。
つまり、テクニックを使う前に、“この人の言うことなら聞こう”と思える関係性が必要なのです。
「人に気を使える犬」に育てるために
普段の生活の中で、愛犬はあなたをどれだけ意識しているでしょうか?
- アイコンタクト:名前を呼んだらすぐに目が合うか?
- 待つ姿勢:ご飯や散歩の前に、興奮せずに指示を待てるか?
- 日々のルール:遊びの始まりと終わりを飼い主が決めているか?
こうした日々の積み重ねで、「飼い主の判断」を優先する姿勢=信頼の土台ができあがります。
本能を満たす「ガス抜き」も忘れずに
エネルギーが余っていたり、本能が満たされていないことも「吠え」の原因になります。
本能を抑えるのではなく、別の形で発散させることが大切です。
- ノーズワーク(嗅覚遊び):おやつを隠して探させる遊び。狩猟本能を満たし、脳を心地よく疲れさせます。
- 散歩中の「におい嗅ぎ」:本能的に強く求められる行動です。
匂いを嗅ぐことで「情報を集め、脳を使い、心を落ち着かせる」という意味があります。
散歩の途中に「においタイム」を適度に設け、犬の欲求と飼い主のリードのバランスを保つことが大切です。
5. まとめ — 吠えを通じて深まる関係性
ダックスフンドの「声」は、彼らの意思表示です。
その声を「無駄だ」「うるさい」と一方的に遮断する前に、
「なぜそうしたのか?」
「今、僕たちの関係はどうなっているか?」
を見つめ直すきっかけにしてください。
テクニックだけで犬を黙らせることはできません。
日々の暮らしの中で、お互いに意識を向け合い、心を交わすこと。
そうして築かれた信頼関係があって初めて、あなたの「大丈夫だよ」という声が、
愛犬の心に届くようになるのです。
トラストブリーダー・Schildkroteの考える「吠え」との向き合い方
私たちSchildkrote(シルトクレーテ)が最も大切にしているのは、
犬の行動の背景にある「理由」を理解しようとする姿勢です。
吠えるという行動は、「困った癖」ではなく、
犬から私たちへのサインであり、語りかけです。
そして、そのサインの“質”や“強さ”は、
実は生まれる前の繁殖環境や子犬期の社会化経験、
さらには飼い主との関係性によっても大きく左右されます。
だからこそ、私たちは「吠えを強引にやめさせること」ではなく、
「なぜ吠えるのか」を一緒に考え、整えていける暮らしを何よりも大切にしています。
本能を理解し、本当の信頼関係を築くために
吠える=悪ではなく、
吠える=伝えようとしてくれている。
そう捉えるだけで、愛犬との関係は大きく変わります。
ダックスフンドという犬種の特性、育った背景、日々の生活、心の状態……
それらが複雑に絡み合って発せられる“声”を、
じっくりと受け止め、理解し、整えていく。
そんな関係性を築いていくための考え方を、
私たちはこれからも伝え続けていきたいと考えています。
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