ダックスフンドの毛色やサイズ交配、本当に「見た目だけ」で選んでいませんか?

2026年より、日本国内でもJKC(ジャパンケネルクラブ)がFCI(国際畜犬連盟)の犬種標準に正式に準拠する形で、ダックスフンドの「認められる毛色」が明確に整理されます。

これにより、一部の人気カラーが評価対象外となり、ブリーディング(繁殖)においても重要な判断基準の変更が生じます。

本記事では、なぜ毛色・毛質・サイズの交配が犬の健康に深く関わるのか?
そしてどのような組み合わせが注意・禁止されるべきなのか?を、2026年以降の基準と専門的見地に基づいて解説します。


【毛色編】犬種標準に記載される毛色とされない毛色(2026年以降)

認められる毛色(犬種標準内)

区分毛色
単色レッド(黒い差し毛含む)
二色ブラック&タン、チョコレート(ブラウン)&タン
特色ブリンドル、ダップル

※ 鼻や爪の色も、健康状態や色素の強さを判断する重要な指標です。
特にブラック系・レッド系では「黒」、チョコ系では「ブラウン」が理想的です。


評価対象外とされる毛色(一部)

  • ブラック&イエロー
  • チョコレート&イエロー
  • クリーム、イエロー、ゴールド、ウィートン
  • ブルー、イザベラ、フォーン系
  • ダップルやブリンドルを含む非標準カラー(ブルー・ダップル、イザベラ・ブリンドルなど)

これらのカラーは、色素形成の異常や遺伝的リスクの高い背景を持つことが多く、犬種の健全性維持のために繁殖・評価の対象外とされます。


【交配編】推奨されない毛色の交配例とその理由

以下は、健康リスクや遺伝的な不安定性のため、繁殖上「避けるべき交配」とされています。

明確に禁止・非推奨の交配

組み合わせ懸念されるリスク
ダップル × ダップル(Wダップル)高確率で聴覚障害・視覚障害・内臓形成不全
チョコレート&イエロー × ダップル色素の質と配置の両方が不安定に。感覚器官の異常リスク
ブリンドル × ダップル色素欠損の重複リスク、見た目の乱れと健康リスク
イザベラ × フォーン色素希釈遺伝子の重なりによる皮膚疾患(CMA)等

特にダップル遺伝子は見た目では判断しにくく、遺伝子検査なしでの繁殖は極めて危険です。


【ダップルの正しい理解】模様ではなく、遺伝子の性質を見る

「ダップル」は一見華やかで人気の毛色ですが、その本質は優性のM遺伝子によって色素細胞の配置が不規則になることです。

  • Mm(1本):通常のダップル模様
  • MM(2本):Wダップル=重篤な健康障害のリスク大

遺伝的に組み合わせを誤れば、見えない形で命に大きな影響を及ぼします。


【毛質交配編】異毛種交配のリスクと構造的問題

遺伝子構造の基礎

毛質L遺伝子Wh遺伝子
スムースLLwhwh
ロングllwhwh
ワイヤーLL or LlWhWh or Whwh

特に避けるべき交配

  • ロング × ワイヤー
     → ワイヤーの特徴(硬さ・密度)が再現されず、犬種標準から逸脱
  • スムース × ロング/ワイヤー
     → 毛質のバラつき、予測不能な発現が次世代に出やすくなる

特にF1(第一世代)では一見問題がないように見えても、F2で大きなバランス崩壊が起きやすいため、慎重な系統管理が必要です。


【サイズ交配編】重要なのは見た目ではなく骨格と犬質

ダックスフンドの正しいサイズ定義(2026年基準)

※ シルトクレーテ基準に基づいて記載

サイズ胸囲(生後15ヶ月時点)体重の目安
カニンヘンオス:27〜32cm/メス:25〜30cm約3〜5kg前後
ミニチュアオス:32〜37cm/メス:30〜35cm約4〜6kg前後
スタンダードオス:37〜47cm/メス:35〜45cm約7.5〜9kg前後

※ 胸囲が公式な基準であり、体重はあくまで参考値です。


推奨されない交配

  • スタンダード × カニンヘン
     → 骨格・発達スピードの違いにより出産リスクや健康リスクが大きい

慎重に行えば有効な交配

  • ミニチュア × カニンヘン
     → 骨格・犬質の健全性を見極めて用いることで、カニンヘンの質的向上にも繋がる
     ※過度なカニンヘン同士の交配継続により、骨格の脆弱化が進んだ例もあり

【まとめ】見た目ではなく「命」を基準に選ぶ時代へ

ダックスフンドの交配において、重要なのは「可愛さ」や「珍しさ」ではありません。
求められるのは、一生を通じて健康で、犬種としての機能を備えた体を持てるかどうかという視点です。