その他の健康について

シルトクレーテが大切にしているのは、「病気を怖がって生活を狭くする」のではなく、本来の犬の強さを引き出し、“ならない体”を育てるという考え方です。
とくにドイツ純血ダックスフンドは、FCIスタンダードが示す「狩猟犬としての機能美」を土台に持っています。つまり、正しい育成と環境があれば、過度な制限に頼らずとも、しなやかにタフに暮らせる犬です。

ここでは、日常で意識したい健康テーマをまとめます。
(※PRAについては専用ページで詳しく解説しています)


椎間板ヘルニアについて

── 予防的に「ならない体」をつくる

ダックスフンドは体型的に背骨へ負担がかかりやすいと言われます。
ただ、私たちは「怖いから動かさない」「段差をすべて排除する」といった方向に寄りすぎることには慎重です。理由はシンプルで、体は“使い方”によって強くも弱くもなるからです。

大切なのは「良質な筋肉」と「丈夫な骨」

背骨を守る最大の味方は、コルセットのように身体を支える体幹の筋肉です。
そして、その筋肉を育てるためには“材料”が要ります。

  • 高タンパク・高品質のフード:筋肉の材料が不足すると、支える力が落ちやすくなります
  • 水の質:カルシウムとマグネシウムを含む硬水は、骨の土台づくりという視点で相性が良い場合があります
  • 適度な運動:筋肉は「適切に動かす」ことで育ちます

良いフード、良い水、そして適度な運動。
この循環が、ヘルニアになりにくい体を作ります。

※水や食事の選択は、年齢・体質・既往歴によって最適解が変わります。シルトクレーテファミリーの皆様には個別相談で状態に合わせてご案内します。

運動は「避ける」ものではなく「整える」もの

腰が心配だからといって運動を避けすぎると、筋肉が落ち、結果的に身体を支える力が弱くなります。
大切なのは、“やめる”ではなく“整える”こと。

  • 急なジャンプや滑る床、無理な段差は避ける
  • その代わり、日々の散歩で「正しい歩き」を積み上げる
  • 体幹が育つと姿勢が安定し、動きそのものが安全になります

私たちは日常の中で、犬の歩き方・踏み込み・姿勢の変化を細かく見ています。
ドイツ純血ダックスフンドの良さは、構造が整った時に“自然に美しく動ける”こと。その長所を育成で引き出していく発想です。

もし、なってしまった場合には

ヘルニアを疑う症状(痛がる、歩き方が変、後肢がふらつく等)が出た場合は、まず無理をさせず、安静を優先してください。必要に応じて動物病院で適切な診断と処置を受けましょう。
そして、普段からの体づくりは、万が一のときの回復力や戻りの早さにも繋がります。


皮膚と耳の健康

── 微生物を味方に、皮膚環境を内側から整える

皮膚や耳は、湿気・汚れ・摩擦などの影響を受けやすく、外耳炎や皮膚トラブルが起きることがあります。
とくにロングヘアードは被毛の性質上、通気や乾燥の管理が重要になります。

私たちが今、予防ケアの柱として考えているのは、“微生物(常在菌)バランス”を整えるという方向性です。

「表面だけの対処」から「環境づくり」へ

  • 善玉菌や発酵由来成分で、皮膚の常在菌バランスを整える
  • 一時的に抑えるのではなく、トラブルが起きにくい環境そのものを作る
  • 腸内環境にもつながり、全身の健康の土台になりやすい

もちろん、症状が強い場合は獣医師の診断が第一です。
その上で、日常の予防として「菌のバランス」「乾きやすい環境」「洗い方・乾かし方」を整えていくと、安定しやすいケースが多いと感じています。

※具体的な製品や使い方は、個体差が大きいため、お迎え時・個別相談でご案内しています。


歯の健康

── 「歯から体を守る」ためのケア習慣

歯の健康は、見た目以上に全身の健康と関わります。
歯周病は口の中だけの問題ではなく、慢性的な炎症が続けば体の負担にもなり得ます。

そしてダックスフンドでは、特に犬歯(けんし)が抜けることの影響は小さくありません。
咬合(噛み合わせ)や食べ方だけでなく、顔周りのバランスや生活の質にも関わってきます。

シルトクレーテの基本方針

  • お渡し前から、無理のない範囲で「口を触られること」に慣らす
  • 当犬舎推奨の歯磨き粉を使い、日常ケアを“習慣化”する
  • 歯石・歯肉炎を放置しない(溜めない仕組みを作る)

歯磨きは「やり方」よりも、まず続く形を作るのが最優先です。
家での実践方法は、別ページでも詳しく紹介し、必要なら対面でレクチャーも可能です。


爪・足裏・肛門腺のケア

── 継続が大切。プロとの併用もおすすめ

細かいケアほど、日々の積み重ねが効きます。
一回を完璧にするより、「崩れないリズム」を作ることが大切です。

爪が伸びすぎると、着地の仕方が変わり、姿勢や歩行に影響します。
結果として、足先だけの問題ではなく、身体全体の使い方が崩れることがあります。

足裏(パッド周り)

足裏の毛が伸びると滑りやすくなり、怪我のリスクが上がります。
滑る床は関節や腰にも良くありません。足裏を整えることは、見た目以上に“運動の安全性”に直結します。

肛門腺のケア

── 必要な子には必要。でも「全員に同じこと」はしない

肛門腺(肛門嚢)は、体質によって溜まりやすさに大きな差があります。
普段の排便で自然に排出できる子もいれば、体質的に溜まりやすく、放置すると炎症や破裂につながってしまう子もいます。

私たちが大切にしているのは、「必要な子には適切なケアをする」一方で、「必要のない子にまで過剰に介入しない」という考え方です。

溜まりやすい子は、ケアが必要です

すでに溜まりやすく、肛門周囲を気にする/破裂歴がある/炎症を繰り返す、といった子の場合は、
定期的な確認とケアが、再発防止と生活の快適さに直結します。

一方で「絞ることで溜まりやすくなる」考え方もあります

肛門腺は、必要以上に頻繁に絞ることで刺激になり、
結果として“自然な排出のリズム”が崩れたり、違和感が増えると感じるケースもあります。
そのため、闇雲に「定期的に全員絞る」のではなく、その子の状態に合わせて判断することが重要です。

こんな場合は、確認・相談の目安

  • お尻を床に擦る(いわゆる“お尻歩き”)
  • 肛門をしきりに舐める/気にする
  • 便は普通なのに、肛門周りの臭いが強い
  • 肛門周囲が赤い・腫れている・痛がる
  • 過去に肛門腺の破裂や炎症がある

ご自身でケアしたい場合は、最初から一人で抱え込まず、プロと併用しながら安全に学ぶのがおすすめです。
犬によって“触れ方・力加減・頻度”が変わるため、合わない方法を続ける方がリスクになることがあります。
必要に応じて、動画・対面でのレクチャーにも対応できます。


心の健康

── 心も体と同じように「育てる」もの

健康は体だけでは完成しません。
犬のメンタルは、環境・関わり方・刺激の質で安定していきます。

私たちは、「甘やかさない=冷たくする」ではなく、
犬が“安心して自立できる関わり”を大切にしています。

こんなことに気をつけてみましょう

  • 甘やかしすぎない(望みが何でも叶うと、逆に不安定になります)
  • 刺激が少なすぎる生活を避ける(単調さは不安や退屈を生みます)
  • 日光・風・季節の変化を感じられる暮らしにする
  • 湿気・カビ・閉鎖空間を避け、空気の流れを意識する
  • 叱るよりも「やるべき行動が自然に出る環境」を作る

特別なことをする必要はありません。
“自然で豊かな毎日”の積み重ねが、心の健やかさに繋がります。


健康とは、毎日の「質」の積み重ね

犬の健康は、特別な治療や制限だけで守るものではありません。
食べるもの、飲むもの、動くこと、触れ合うこと。
その一つひとつの選び方が、体を作り、心を作ります。

ドイツ純血ダックスフンドは、本来とても合理的で、タフで、美しく動ける犬です。
その強さを引き出すために、私たちは「正しい環境と関わり方」を整え続けます。

ご不安な点や、もっと具体的に知りたいことがあれば、いつでもご相談ください。
その子の体質・年齢・暮らし方に合わせて、現実的で続けられる形をご提案します。