④-2【水】身体のめぐりを支えるミネラルバランス

水は、命をめぐらせる静かな血流である。


導入

水は、体の大部分を占めるだけでなく、命そのものの“めぐり”を司っています。
血液、リンパ、体液──それらの流れが滞ると、どんなに優れた栄養を摂っても、
その力は十分に生かされません。

トラストブリーディングにおいて「水」は、単なる飲み物ではなく、
命を流し、清め、循環させる“生命の通り道”として扱います。

犬たちの体を観察すると、
水の質や量の違いが、筋肉の張り、皮膚の潤い、被毛の艶、
そして精神の落ち着きにまで影響していることが分かります。


理念・考え方

水は、食と同じく「体をつくる要素」のひとつです。
どんなに優れたフードを与えても、
それを吸収し、巡らせ、排出するのは水の働きです。

シルトクレーテでは、水を“飲ませるもの”としてではなく、
体の中を穏やかにめぐり、命の流れを整える存在として考えています。

だからこそ、水の硬度やミネラルバランス、温度、与え方──
そうした一つひとつを丁寧に観察し、
犬たちが自然体でいられる状態を保つようにしています。


実践内容

硬水による骨と代謝のサポート
 カルシウムとマグネシウムを多く含む硬水を基本とし、
 骨格形成・筋肉維持・代謝促進に働きかけます。
 硬水に含まれるミネラルは、栄養の吸収や酵素反応を助け、
 体内の循環を穏やかに整える働きがあります。

水温の管理
 年間を通して常温の水を与えています。
 冷たすぎず、温めすぎず、体への負担を最小限に。
 一定の温度が、消化と代謝の安定につながります。

水量の観察
 どれだけ飲むかは、その犬の健康のバロメーター。
 水の摂取量が極端に減ったときは、体調変化のサインと捉え、
 フード・環境・運動量を見直します。

清潔と更新
 水は常に新鮮であることが前提。
 一見きれいに見えても、空気中の微細な菌や埃が落ちやすいため、
 時間を区切ってこまめに入れ替えます。
 水皿の材質や深さにもこだわり、清潔さと自然な口当たりを両立させます。

フードとの一体設計
 硬水に含まれるミネラルは、フードの吸収効率を高める補助的な働きをします。
 シルトクレーテでは、「水と食をセットで考える」ことを基本とし、
 その組み合わせまでを“命の設計”の一部と捉えています。


シルトクレーテの哲学

水は、命を静かに映す鏡です。

どんなに高品質な食事を与えても、
水が滞れば、命のリズムは鈍っていきます。
逆に、良い水が体内を巡れば、細胞一つひとつが息を吹き返すように働き始めます。

犬たちの体を見れば、水の質はすぐに分かります。
筋肉の弾力、毛の密度、目の透明感。
それらはすべて、水の流れが整っている証です。

私たちにとって、水は管理項目ではなく、
命を通わせるための“無言のコミュニケーション”です。


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水が命をめぐらせるように、
次は「発酵と微生物」が、内側からその命を支えます。
それは、目に見えない小さな生き物たちによる、もう一つの循環です。

→ ④-3【発酵・微生物】内側から整える生命の循環


まとめ

水は、命の中を流れる“静かな生命線”。
一滴の質が、全身の健康を左右します。

食事が材料なら、水はその材料を生かすための“舞台”。
それぞれが響き合うことで、初めて生命のバランスが整います。

トラストブリーディングの「整える」は、
フードと同じように水を“命の設計の一部”として捉えています。
それは、科学では測れない、静かな感性の領域です。