⑦−2【教育と継承】次世代ブリーダーへの学びの場づくり
血を継ぐだけでは、文化は残らない。
導入
どれほど美しい血統を残しても、
その「考え方」が次の世代に伝わらなければ、
本当の継承とは言えません。
トラストブリーディングは、
犬を繁殖する技術やノウハウのことではなく、
“命とどう向き合うか”という姿勢のこと。
だからこそ、私たちは犬を育てるだけでなく、
人を育て、理念を伝えることを大切にしています。
理念・考え方
ブリーディングの世界において、
技術は時間をかければ身につきます。
けれども、「なぜそうするのか」という根拠のない繁殖は、
どんなに経験を重ねても“芯の通った血”にはなりません。
次の世代に残すべきものは、
マニュアルでもなく、数値でもなく、
犬を前にした時に生まれる“判断の軸”です。
その軸を伝えるために、
私たちは日々の現場を通して、若い世代に
「見る」「考える」「感じる」ことの大切さを伝え続けています。
実践内容
・現場を開くこと
犬舎やショー会場を通して、実際の繁殖・育成・社会化を見てもらう。
“正解を教える”のではなく、“現実を感じてもらう”ことから始まります。
・対話による共有
血統や構成の話だけでなく、命を扱う上での葛藤や選択についても
率直に話し合う機会を設けています。
・責任の連鎖を意識させる
生まれる命には、必ず次の誰かが関わる。
その責任のバトンを自覚することが、
次世代の「信頼あるブリーダー」を育てる第一歩です。
・感覚の育成
犬を見る“目”は教科書だけでは育ちません。
日々の観察と経験の中で、
「何を感じ取り、どう判断するか」を磨く力を養います。
シルトクレーテの考え方
トラストブリーディングを継ぐということは、
犬を生ませる力ではなく、犬と向き合う覚悟を持つこと。
どんな場面でも「命の味方」であり続けること。
その姿勢さえあれば、技術は後からいくらでも身につきます。
まとめ
血統を継ぐ者がいなければ、犬種は絶えてしまいます。
そして、理念を継ぐ者がいなければ、文化は消えてしまいます。
いずれどのような形であっても、
この想いを受け継ぎ、未来へとつないでいく人の存在は必要だと感じています。
命の流れを止めないためには、
継承する覚悟を持つ誰かがいなければならない。
だからこそ、私たちは犬を教えると同時に、人と理念をつなぐ。
それがやがて、次の世代の“信頼を紡ぐ者”を育てていくのだと信じています。
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→ ⑦−3【環境と倫理】命を取り巻く社会への責任
ブリーディングという営みが、社会や環境にどう影響するのか。
次の章では、命を取り巻く世界全体への責任を考えます。
