繁殖とは「命の継承」

繁殖は、ただ子犬を増やすことではありません。
犬種の未来に責任を持ちながら、心身ともに健全な命を「次の世代へつなぐ」営みです。

私たちシルトクレーテは、30年以上犬たちと群れで暮らし続けてきた経験と、国際基準(FCI)に基づく知識と実践を土台に、この使命を担っています。
このページでは、私たちが繁殖において何を大切にし、どんなルールと姿勢で命をつないでいるのかを、できるだけ具体的にお伝えします。

このページでお伝えしたいこと

  • 私たちは「数を増やす繁殖」ではなく、健全性と未来を優先します。
  • 原則2歳以降・生涯4回まで。遺伝・構造・気質を総合して交配を決めます。
  • 子犬は生後4ヶ月まで群れで育て、「育てて託す」ことまでを繁殖と考えます。

繁殖におけるルールと姿勢

繁殖は「犬の一生」に関わる判断です。だからこそ、場当たり的な交配はしません。
母犬・父犬・子犬、そして迎えるご家族の未来まで見据え、次のルールを定めています。

シルトクレーテの繁殖ルール

  • 繁殖開始:原則2歳以降(雌雄共通)
  • 出産回数:生涯で最大4回まで
  • 目的:数を目的にしない。健全性・気質・運動能力を伴う繁殖
  • 判断材料:遺伝子検査/血統背景/骨格比率/日常の気質と生活適性

なぜ「2歳以降」なのか

1歳前後は、まだ体が完成していないだけでなく、体質や精神面の弱さが表面化しやすい時期です。
その弱さを十分に把握しないまま繁殖に使えば、次世代へ引き継いでしまうリスクが高まります。

だからこそ私たちは、成長を待ち、健康や性質を十分に見極めてから繁殖に臨むことで、そのリスクを少しでも軽減したいと考えています。

雄犬も同様です。精子の質やホルモンバランス、体格の安定性を考えれば、2歳を超えてからが本来の健全性を示しやすい時期です。
私たちは雌雄ともに、2歳以降でなければ責任を持って次世代につなぐことはできないと考えています。

なぜ「生涯4回まで」なのか

出産は、母犬の身体にも心にも負担をかけます。
私たちは「数を増やすための繁殖」ではなく、母犬の健康と生活の質を守るために、生涯で4回までと制限しています。
母犬が群れの一員として穏やかに暮らし、年齢を重ねても健やかでいられることを、繁殖以上に大切にしています。

私たちの姿勢(都合の良いことだけを語らない)

もちろん、私たちのチェックが完璧であるとは言いません。
繁殖の現場には、努力しても避けられないリスクや、思い通りにならないことがあります。

だからこそ私たちは、想定外が起きうる前提で、記録・検証・改善を繰り返し、次の繁殖判断に必ず反映させています。
命を扱う以上、「うまくいくはず」ではなく、「起きうることに備える」姿勢が必要だと考えています。


遺伝学と健康管理

私たちが最も重視するのは「遺伝と健康」です。

PRA(進行性網膜萎縮症)や椎間板ヘルニアといった疾患は、遺伝や構造上の傾向と深く結びついています。
そのため、私たちは遺伝子検査・血統背景・骨格比率・生活の中での状態を総合的に見て交配を決めています。

ダックスフンドにとって重要な構造指標

特にダックスフンドにとって重要なのは、次の比率です。

  • 体高と体長の比率
    • オス:1 : 1.7
    • メス:1 : 1.8
  • 胸の深さと地面までのバランス
    • 胸深:体高の2/3
    • 地面との間隔:体高の1/3

これらは単なる数字ではありません。
健全な動き、背中への負担、日常の動作のしやすさを支える基盤であり、私たちの繁殖哲学の核です。


親犬の選定と組み合わせ

親犬は「見た目が良い」だけでは務まりません。
私たちは、次の要素を重視します。

  • 骨格の強さと運動能力(無理のない動き)
  • 社会性と安定した性格(家庭犬としての適性)
  • 代々受け継がれてきた純血のライン(背景と一貫性)
  • 掛け合わせたときにどうなるかという見立て

繁殖の要は、「一頭の完成度」だけではなく、組み合わせとしての完成度です。
良い犬同士でも、組み合わせが適切でなければ理想に近づかないことがある。
逆に、長所と短所を正確に読み、組み合わせを整えることで、次世代が大きく前進することもある。
私たちはその一点に、長い時間と責任をかけています。


出産と子犬の育成

出産は、母犬の体調と精神状態を第一に考えます。
そして子犬たちは、生後4ヶ月まで群れと共に過ごします。

群れの中で育つことで、子犬は

  • 犬社会のルール
  • 人との信頼関係の土台
  • 多様な環境への適応力

を身につけていきます。

私たちにとって繁殖は、単なる“販売”ではありません。
育てて、整えて、託すところまで含めて、繁殖の責任だと考えています。


ドイツ純血を受け継ぐ責任

シルトクレーテの犬たちは、ドイツ純血の血統を基盤としています。
これは「ブランド」ではなく、犬種本来の健全性と機能美を守るための資産です。

私たちはこの血統を未来へ継承しながら、現代社会でも心身ともに健やかに暮らせる犬を育てることを使命としています。
犬種の未来と、迎えるご家族の人生の両方に責任を持つこと。
それが、私たちが考える「命の継承」です。


結びに

繁殖には、努力しても思い通りにならないことがあります。
それでも私たちは、犬たちと未来のために、できる限りの工夫と学びを重ねています。
その想いを理解していただけることが、私たちにとって何よりの励みです。

このページが、犬を迎える方が「信頼できる繁殖とは何か」を考えるための基準となり、犬種の未来を守る力につながることを願っています。
その想いを理解していただけることが、私たちにとって何よりの励みです。

詳細な資料はこちらから

シルトクレーテの繁殖理念や具体的な取り組みを、 体系的にまとめたPDF資料をご覧いただけます。犬種の未来を考える方にとって、参考になる内容です。

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